KIMONO AGENCY

第一回 日本の着物を世界に!新しい着物の可能性

日本人なら知っていてほしい着物の基礎知識から、世界の目から見た「Kimono」を解説。

コスチュームデザイナーでもある押元末子が、世界で通用する着物の新しい可能性を見いだします。

また、着物/着付けを通して学んだ人生観を綴ります。

 

はじめに

みなさん、こんにちは。山野流着装教室カリフォルニア支部の事務局長を務めている押元末子です。

着物が大好きで20年前に着付け講師になり、数百人の方に着付けや着物の魅力を教えてきました。

このコラムでは着物に関してももちろん書いていきますが、

私自信が 「着物/着付けを教えること」 から学び、考え、そして見出した、いつも人生を楽しく過ごすための秘訣を綴っていきます。

このコラムを通して、一人でも多くの方に着物を好きになって頂けたら幸いです。

いっしょに着物を着て、海辺のホテルへアフタヌーンティーに出掛けましょう (笑)

 

第一回 : 日本人なら知っていてほしい着物の基礎の基礎


日本が世界に誇る 「着物」 の基礎の基礎を本当に簡単にご紹介します。

これだけを知っていれば不意なアメリカ人からの質問に、恥をかかなくて済むかもしれません (笑)

 

まずは、女性の着物と帯の種類です。

着物は着ていくT.P.O.によって種類が異なります。

全部で15種類以上ありますが、ここでは特に使用頻度の高い4種類を 【表1】 にまとめました。

 

* あくまで、ご自分が楽しむ事が第1優先ですので、基本として捉えてください。

 

【表1】

着物種類

振り袖 (ふりそで)

黒留袖 (くろとめそで)

訪問着 (ほもんぎ)

小紋 (こもん)

写真

特徴

袖が長く、華やかな柄が多い

黒地に家紋が入っている、前から後ろに掛けて柄が繋がっている

前から後ろに掛けて柄が繋がっており、左肩にも柄が入っている

全体的に同じ柄が入っている

高さ

フォーマル

フォーマル

セミフォーマル

カジュアル

T.P.O.

各パーティー、未婚女性

結婚式や披露宴で親族既婚女性

パーティー、茶会、見合い、未婚・既婚問わず

スーパーマーケット、ご近所、未婚・既婚問わず

 

 

日本人なら誰でも 「成人の日」 に、色取り取りの振り袖を着た艶やかな女性達に目を奪われた経験があると思います。

振り袖の着方も、若い女性の感性に合わせて年々華やかに変化してきています。

ファーやレース、ビーズやコサージュを使い現代の着方をするのが流行です。

これは、時代に合わせた素晴らしい変化と言えるでしょう。

 

アメリカでも、振り袖姿の記念写真撮影をするのが主流となってきています。

新しいトレンドを取り入れる為に、私も毎年数回日本を訪れ、流行の帯結びを勉強したり、

人気の高いデザインの振り袖や小物を仕入れています。

 
一般的に知られている 「紬」 (つむぎ) は、基本的には普段着の着物になります。
 
全国に産地があり、地名がそのまま名称になっていることが多いです。
 
例) 米沢紬 → 山形県、琉球紬 → 沖縄
 
「浴衣」 (ゆかた)は江戸時代にバスローブとして大流行したものが、やがて夏のくつろぎ着になりました。
 
夏祭り用もしくは、旅館の室内着です。
 
帯の種類は大きく分けて、3種類です。 こちらも分かり易く簡単にご紹介します。
 
それぞれ仕立て方、長さ、幅が異なります。
 
帯も T.P.O.に合わせて、格の高さや着物とのコンビネーションを考えながら選びます。
 
・ 袋帯 (ふくろおび)
  もっとも一般的なフォーマル帯。
  振り袖の華やかな帯結びも、この帯1本を工夫して締めます。
  振り袖、留袖、訪問着等に締めます。
 
・ 名古屋帯
  名古屋の女学校の創始者が日常的に使用していたものが商品化されました。
  セミフォーマル帯。小紋に締めることが多いです。
 
・ 半幅帯 (はんはばおび)
  帯結びが楽に出来る幅の狭い帯。
  一般的に小紋や浴衣に締めます。
 
 
次に、男性の着物と帯の種類です。
 
結婚式や成人式でよく見かける 「紋付き羽織袴」 (もんつきはおりはかま) と
「長着」 (ながぎ) の2種類が一般的です。
T.P.O.によって、長着に羽織や袴を合わせます。 長着と羽織セットの 「アンサンブル」 も人気があります。
 
 
帯に関しても、「角帯」 (かくおび) と 「兵児帯」 (へこおび) などがあります。
 
一般的に角帯を締めますが、家庭でくつろぐときや着流しには兵児帯も手軽で便利です。
 
日本の文化を象徴するように、様々な T.P.O.によって着物と帯の組み合わせを変えなければいけませんが、
 
堅苦しく考えず、自分が着物を着て楽しむことが最重要です。 気にし過ぎて着ないよりは、
 
間違っててもいいので着物に袖を通しましょう。
 
日本では、若い世代の間で着物の人気が少しずつ高まって来ているようです。
 
ファッション誌でも 「レトロ」 が注目を集めています。
 
現代ではそれが 「粋」 として蘇ってきているように思えます。
 
 
次回は、「着物の美しさ 」に焦点を当てながら 「着物の魅力」 を皆様にお伝えしたいと考えています。
 
思わずため息が漏れるような、麗しいお写真をたくさんご覧頂きます。
 
お楽しみに!
 
 
 
 
押元末子プロフィール
沖縄県出身。 1992年、初代山野愛子氏から最初の着付師資格を取得後、琉美美容専修学校で着付け講師を勤め、同時にテーブルコーディネート等のソーシャルを教えるクラスを開講。エステサロンのオーナーエステティシャンとして活躍する傍ら、建築・カラーコーディネート・華道・日本舞踊を学び、フラワーアレンジメントの資格を取得。
1999年渡米、ラスベガスへ移り住み、2005年、山野流着装教室 CA branch の事務局長に就任。L.A と L.V で着付け教室を開講。 毎年プロ着付師の卒業生を輩出し、現在24名のアシスタントを持つ。
日系博物館、LACMA をはじめとする各ミュージアムで着物ショー&レクチャーを開催し、伝統的な着物文化の普及に多大に貢献している。毎年東京で開催される芸術祭全国大会で着付け部門の審査員も務める。
 
伝統的な着物、着付けを教える一面を持ちつつ、VOGUE magazine をはじめ各雑誌の着物を使ったエディトリアル写真撮影にスタイリストして参加、New Style として注目を集めている。
また、映画のワードローブ、スタイリストとしても活躍中。 アカデミー賞、グラミー賞、ラティーノグラミー賞等で VIP の着付けを担当。
世界的に有名なフォトグラファー David Lachapel 氏の撮影にも Hair Director として参加、常に活躍の場を広げている。
エンターテイメントダンスショー 「Grand Vista」 では、Co.Producer として主催、
Costume Designer として14名、20着以上の全ダンサー衣装をデザイン、制作。
Yahoo ! U.S.A、L.A. Fashion week に取り上げられるなど、
モダン着物コスチュームが日系/米系メディアで話題を呼んでいる。
現在、最も注目されているコスチュームデザイナー。
 
 
2011年12月 ロサンゼルス情報ウェブサイト”びびなび“ に掲載

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